離婚後の戸籍と氏(姓)など、苗字の選択について必要な手続き。子供の戸籍は離婚後にどうなるか。

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▼離婚後の戸籍と氏(姓)
・離婚後の戸籍と氏(姓)、戸籍と本籍地
・婚姻中の氏を名のるには
・氏の変更許可の審判申立
【関連ページ】子の氏はどうするか

離婚後の戸籍と氏(姓)

婚姻中の戸籍は夫婦の戸籍として一つでしたが、離婚をすると戸籍が二つに分かれます。

妻が婚姻まえの氏を改めていた場合、夫の氏を夫婦の氏とする戸籍が編成されその戸籍の本籍が妻の本籍だったわけですが、離婚するとその戸籍から除籍されるので、その際に、結婚前の戸籍に戻るのか、単独で新しい戸籍を作るのかを選択する必要があります。

両親が離婚しても、原則として子どもは結婚時の夫婦の戸籍に残ります。親権者となった母親が旧姓に戻った場合、子供と母親の氏と戸籍は異なります。母親が離婚後も結婚時と同じ氏を名乗る場合も、見かけ上は子どもと同じ氏ですが、法律的には子どもと氏も戸籍も別です。

離婚届が受理されると、夫が戸籍筆頭者の場合、
戸籍の夫の欄には
『平成○年○月○日妻○○と協議離婚』
妻の欄には
『平成○年○月○日夫○○と協議離婚届出○○戸籍に入籍につき除籍』(婚姻前の戸籍に戻る場合)
『平成○年○月○日夫○○と協議離婚届出同日○○県○○市○○町四番四号に新戸籍編制につき除籍』(新戸籍を作る場合)
と記載され、妻の名前はバツ印で消されます。

戸籍と本籍地

戸籍は、戸籍法によって個人の身分関係や親族関係を明確にするために作成される公文書です。本籍とはその戸籍の所在場所をいいます。

離婚により、実家(結婚前)の戸籍に戻らず新戸籍を作る場合、とりあえず本籍地を決めておけばその後本籍地の移動は自由にできます。離婚後に生活する住所を新戸籍の本籍地としている女性も多いようです。

離婚後の姓と戸籍の選択

  • 旧姓に戻り、実家(結婚前)の戸籍に戻る
  • 旧姓に戻り、自分で新しく戸籍をつくる
  • 結婚時の姓を継続使用し、自分で新しく戸籍をつくる

※子どもは原則として結婚時の戸籍に残ります。子どもを自分の戸籍に入れるためには、自分で新しく戸籍をつくらなければならないため、旧姓に戻る場合も実家の戸籍には戻れません。
※離婚後も婚姻中の氏を称する場合は、実家の戸籍に戻ることはできず必ず新戸籍を作ることになります。
※実家の戸籍が除籍になって残っていないという場合には実家の戸籍には戻れません。

婚姻中の氏を名のるには

離婚により婚姻前の氏に復した妻または夫が、婚姻中の氏を引き続いて名のりたいのであれば、離婚をした日から3ヶ月以内にあるいは離婚届と同時に離婚の際に称していた氏を称する届を市区長村役場に出します(届出に必要なのは本人の著名押印だけで、その理由も、相手側の許可もいりません)。

※離婚届と同時に提出する場合、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍欄」は記入する必要はありません。

※3ヶ月の考慮期間を大切にし、慎重な判断をすべきです。

※離婚をした日とは、協議離婚では離婚届が受理された日、調停離婚では調停が成立した日、審判離婚・裁判離婚では審判・判決が確定した日です。

※3ヶ月以内に手続きをしなかった場合には、家庭裁判所で氏の変更許可の審判を申し立てなければなりません。

氏の変更許可の審判申立

氏の変更許可の申し立ては、「やむを得ない事由」が必要で、家庭裁判所がやむを得ない事由があると認めた場合のみ、氏の変更が許可されます。

「やむを得ない事由」にあたるかどうかはかなり厳しく判断されていますが、実際には、離婚による場合には氏変更の申立てが比較的容易に許可されているようです。

▼家庭裁判所が考慮する変更の条件

  • 「離婚の際に称していた氏を称する届」を出したのちに、その姓が社会的に定着する前の申立て
  • 申立てにきちんとした理由があり、思いつきからではないこと
  • 第三者に害をあたえるなどの、社会的な弊害が発生する恐れがないこと

婚姻中の氏の継続使用を選択しその後旧姓に戻る場合

▼認められた例

  • 婚姻中の氏を届け出て名乗ったが、転向により、子どもの氏を変更してもさしさわりなくなったとして、届出から二ヶ月後に変更の申立てをした場合
  • 離婚後に婚姻中の氏を届け出たあと再婚したが、また離婚したため前婚の氏に戻ったが、実家の氏に戻りたいとして変更申立てをした場合

旧姓に戻した氏を婚姻中の氏に変える場合

「養育中の子どもが姓の変更を嫌うので、親のほうで子どもの姓に合わせたい」などのように、子どもとの一致を動機とするものは「やむを得ない事由」として、許可されることが多いようです。

 
 
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