母子家庭が自治体から受けられる福祉について。離婚家庭の児童扶養手当や優遇制度の受け方。

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 ▼離婚家庭への福祉
・児童扶養手当
・母子家庭への貸付制度(母子福祉資金)
・生活保護
・母子生活支援施設(母子寮)
・母子家庭のための優遇制度
児童扶養手当

18才未満の子ども(一定の障害がある場合は20才未満)がいる母子家庭には、児童扶養手当支給の制度があり、実質的に1人で子どもを育てている母または監護者に条件を満たせば支給されます。この制度は離婚した母子家庭にとって、申請すれば比較的認定されやすいものです。

正式に離婚していなくても父親に1年以上遺棄(仕送りも連絡も一切ない状態)されていることが窓口での面接により認められれば支給されます。

受給資格の取得から5年以内に手続きを行わないと、支給資格を失います。

次の場合には支給されません。

  • 子どもが施設に入所している場合。(保育所、母子寮は含みません)
  • 母親か子どもが、障害年金、遺族年金など他の公的年金を受給している場合。
  • 子どもが前夫の税法上の扶養親族になっている場合。
  • 子供が母の離婚後の配偶者(同棲、事実婚も含む)の経済的援助を受けている場合。
  • 同居している扶養義務者(子どもの祖父母、おじ等)の所得が一定額以上の場合。
  • 母または対象児童が日本に住んでいない時。

申請、お問合わせは市区町村役場の児童課です。

必要書類

  • 児童扶養手当認定申請書
  • 請求者と児童の戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 請求者の所得証明書

児童扶養手当以外にも、各自治体によってさまざまな福祉制度があります。

母子家庭への貸付制度(母子福祉資金)

各自治体では、母子家庭の生活の安定と児童の福祉を図るために、無利子〜年3%の低金利で各種の貸付を行っています。融資対象者は現在住んでいる都道府県に6ヶ月以上住んでおり、20才未満の子どもを育てている母子家庭の母です。収入制限はありませんが、融資を受けるには、同一県または近隣に住む、他に保証をしていない連帯保証人がひとり必要です。

融資の内容は、事業開始のための設備費や就学資金、技能習得資金、生活資金、児童扶養資金、結婚資金など多岐にわたっています。返済は、3年から20年以内にすればよく(学校関係は無利子、その他は年3%の利子)他の融資に比べると有利です。

利用にあたっては、市区町村の福祉事務所で相談してください。

生活保護

厚生大臣の定める基準に従って最低生活費を計算し、これとその世帯の収入を比較して、世帯の収入だけでは最低生活費に満たないとき差額について受けられます。

生活保護の手続きは、本人か家族が福祉事務所で行います。個後のケースによってかなり違いがありますが、申請時には、生活保護申請書のほか、収入や資産を証明するものとして賃貸住宅の契約書や給料明細、公共料金の領収書、預金通帳などがテェックされる場合が一般的です。その後、福祉事務所の担当者による家庭訪問などの生活状況の調査が行われ、その結果、生活保護が必要だと認められた時に始めて生活保護が適用されます。調査の段階では資産状況や生活状況など、プライバシーをすべて明らかにしなければならないなどの覚悟も必要です。また、申請が通っても、一部の生活用品(車などのぜいたく品)の購入や所持を禁じられるなど、支給をうけるには厳しい現状があります。

母子生活支援施設(母子寮)

入寮資格は20才未満の子供がいて、生活上の事情から1人で子どもを養育するのが困難であることです。死別や離婚、未婚、別居などの理由は問いません。収入制限はなく、収入に応じて入居費用を払います。施設内には母子指導員や少年指導員がいて、生活相談に応じたり、子どもの学習指導や母親が働いている間の保育にあたるほか、保育室を設けて乳児期の保育を行っているところもあります。詳細は最寄の福祉事務所にお問合わせください。

そのほかにも公営住宅の優先入居などさまざまな支援制度があります。各自治体によって内容が異なりますので最寄の市区町村役場へお問合わせください。

母子家庭のための優遇制度

母子家庭の為に、その他にもさまざまな優遇制度があります。

  • ひとり親家庭の医療費助成制度
    8才未満の子どものいる母子、父子家庭では、親とすべての子どもの医療費が無料になります。この制度の利用には所得制限があります。
  • 税の軽減
    申告すれば所得税、住民税が軽減されます。
  • JR通勤定期券の割引
    通勤定期乗車券が3割引になります。
  • 公営交通の無料パス
    各自治体によって対応はさまざまです。
  • 水道
    水道料金の減免措置があります。
  • 電話設置時の優遇措置
    工事費などの分割払いが認められます。
  • 公共施設内での売店などの設置
    公共施設内に新聞、雑誌、文房具、食料品などの売店や理容院、美容院を設置したい場合、公共施設の管理者は出店の許可を与えるよう努めることになっています。
  • たばこ小売販売業の許可
    母子家庭の母がたばこの小売許可を受けたい場合には、たばこ事業法が定める基準に反しない限り、大蔵大臣は許可を与えなければならないことになっています。
  • 預金利子非課税制度
    非課税の預貯金は1人350万円までです。これは郵便局とほかの1金融機関(銀行・信用金庫など)の計700万円まで可能です。国債も1人350万円まで購入できます(これは全金融機関共通で350万円までの枠組み内で)。
    福祉定期預金(貯金)は遺族年金受給者・障害年金受給者・児童扶養手当を受給している母親などが対象で、300万円が限度額です。
 
 
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