審判離婚とは 調停委員の努力により繰り返し調停が行われたにもかかわらず、離婚が成立しそうもない場合、離婚を成立させた方が、双方の為であると見られる場合であるにもかかわらず、わずかな点で対立があって、合意が成立する見込みがない場合には、家庭裁判所は調停委員の意見を聴いて、職権で離婚の処分をすることができます。これを調停に代わる審判と言います。双方の意に反して強制的に離婚を成立させるわけです。
審判はどのように進められるか
審判では、家庭裁判所が調停官を使って事実調べを行ったり、当事者の証拠調べを行った上で、離婚の審判を下します。
調停に代わる審判では、親権者、監護者の指定や養育費、財産分与、慰謝料等の金額を同時に命ずることができます。
審判離婚はたいへん例が少ないのですが、お互いに離婚には同意したが、条件で折り合わず、調停が長引きそうな時に、すぐに審判にもっていき審判で財産分与や養育費を取り決め、早々と解決したケースが割合あります。
審判離婚が適当だと認められる場合
- 夫婦双方が審判離婚を求めたとき
- 実質的には離婚の合意が得られているが、なんらかの事情で調停成立時に出頭できないとき
- 合意できない理由が主に感情的反発であるなど異議の申立ての可能性が事実上ないとき
- 親権者の争いなどで、その時点における家庭裁判所の判断を示すことに意義があるとき
- いったん離婚に合意した後に、一方が気持ちを変え、調停への出頭を拒否したとき
審判の異議申立て
審判に対しては、2週間以内に家庭裁判所に対して異議申立てをすることができ、異議申立てがあると、その審判は効力を失います。
異議申立がないときには、この審判は確定判決と同一の効力を有することになります。
異議の申立ては、夫婦のどちらか一方が、審判に対する異議申立書に署名押印し、審判書の謄本を添えて審判をした家庭裁判所に提出します。異議を申し立てる具体的な理由は必要ありません。
異議申立ては少ない
審判結果には素直に従う人がほとんどで、あらためて異議を申し立てようとする人は極めて少ないのが実情です。
調停だけであきらめて不利な離婚をしたり、裁判でたいへんな思いをした人もいますので上手に審判を利用するのも賢明な方法です。
審判確定後の手続き
審判離婚の場合には、審判の確定と同時に離婚が成立しますが、審判の確定後に離婚の届出が必要で、確定の日から10日以内に申立人は本籍地あるいは住所地の市区町村役場に離婚届を出す必要があります。
必要書類は、離婚届(相手方と証人の著名、捺印は必要ありません)、審判書謄本、審判確定証明書、戸籍謄本(本籍地でない役所に出す場合)です。
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