調停と審判について
・審判事項は甲類と乙類の二つに分けられています
・離婚そのものや慰謝料の請求
・調停と審判どちらを申し立てればいいのか
・調停申し立ての費用は
・審判申し立ての費用は
・即時抗告
審判事項は甲類と乙類の二つに分けられています
甲類は審判申立てだけができ、審判だけが行われます。子の氏の変更、失踪宣告、禁治産の宣告などです。
乙類は、審判と調停との両方の手続きができます。夫婦の協力扶助、婚姻費用の分担、子の監護、財産分与などです。乙類に属するものは、審判の対象にもなり、調停の対象にもなりますが、調停を経ないでいきなり審判の申立てをすることもできます。調停前置主義の制度は審判については定められていません。
離婚そのものや慰謝料の請求
離婚そのものや慰謝料の請求は、地方裁判所、簡易裁判所等の訴訟手続きによることになっていますので、家庭裁判所に審判を申し立てることはできません。
調停と審判どちらを申し立てればいいのか
調停の対象になるものは、調停を経ないで、いきなり審判の申し立てをすることもできます。調停も審判も効力に違いはありません。手続きに違いがあるだけです。
調停は当事者の合意で内容が決まり、家庭裁判所が関与して調停調書が作成されます。
審判は家庭裁判所が職権で審理をし、審判を出します。当事者の意向によって内容が決まるのではなく、裁判所の一方的な審理で審判が下されます。
いきなり審判を申し立てても家庭裁判所の職権で調停に回されることもあります(付調停)。
調停申し立ての費用は
費用は調停申立書に貼付する収入印紙が900円、予納する切手代約800円。合計1,700円です。
審判申し立ての費用は
費用は審判申立書に貼付する収入印紙が600円、予納する切手代約800円。合計1,400円です。
即時抗告
審判に不服のある場合は、審判の告知を受けた日から2週間以内に即時抗告することができます。
即時抗告がされると、高等裁判所が改めて審理をし、即時抗告に理由があると認めたときには、その審判を取り消して、事件を家庭裁判所に差し戻すか、または自身で審判に代わる裁判をします。
即時抗告のできる審判では、審判と同時に効力が生じるのではなく、2週間以内に即時抗告がないか、即時抗告が却下され、不服申立ての道がなくなった時点で確定し効力が生じます。
※婚姻費用、養育費、親権者、監護者などの審判はその時点におけるものですから、事情が変われば改めて申立てができる場合があります。