元夫から未払いの養育費を回収するにはどうしたらいいですか?
養育費未払いの元夫から養育費を回収する方法とは
離婚時に養育費について取り決めたにもかかわらず、元夫からの支払が滞っているというようなことはありませんか?
そんなときは泣き寝入りをする必要はありません。
しかるべき手続きを取ることで、養育費を支払ってもらうことができます。
今回は未払いの養育費を回収する方法をご紹介していきます。
「離婚したあとに、養育費を支払ってもらえるか心配」
「養育費の支払いが数ヶ月滞っていて、支払いを要求しても無視されている」
など、お困りの方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
最初にためして頂きたいのは、元夫に連絡をとり、支払いを促すことです。
数ヶ月振込が途絶えている、といった場合には、うっかり振込を
忘れてしまっているだけの場合もありますから、
「養育費が振り込まれていないようなので、○日までに、支払って」と伝えましょう。
ポイントは、期日をしっかりと明記することです。
「言った、言わない」にならないためにも、できればメールや手紙などで伝えるのがいいでしょう。
「離婚してからは元夫に連絡していないから、連絡をとりづらい」という場合には、第三者を通して伝えてもらうことも可能です。
その際、弁護士などの法律の専門家を通して行うと、より相手のプレッシャーをかけることができます。
元夫に連絡をとり、「○日までに振り込んで」と伝えても音沙汰がなかったり、先延ばしを何度も要求されたりした場合には、内容証明郵便を利用して支払請求を行いましょう。
内容証明という言葉は耳慣れない方が多いでしょう。
内容証明とは、日本郵便が「いつ、誰が、誰に、どのような内容の郵便を送ったのか」を証明してくれる郵便のことです。ネット上でもテンプレートが多く掲載されているため、自分で作成も可能で、料金も千円程度で送付することができます。
内容証明自体には、養育費を支払わせるための法的効力はありません。
相手に無視される可能性もあります。
ですが、法的措置をにおわせるため、相手にプレッシャーを与えることができ、裁判になると面倒だと思って支払ってくれるケースも少なくありません。弁護士などの法律専門家名義で送ると、より効果的です。
内容証明を送付した後も音沙汰が無い場合は、裁判所に頼ることになります。
裁判所が養育費回収のためにやってくれることとして、「履行勧告」「履行命令」「強制執行」の3つがあります。
ここでは「履行勧告」と「履行命令」をご紹介します。
養育費の支払が滞っている場合、裁判所から元夫に対して「支払なさい」と促してくれるのが履行勧告です。
その勧告にも従わない場合に履行命令が出されます。命令になると、元夫が従わなかった場合には、「10万円以下の過料」が科せられます。
ただし、これらの方法を申し立てられるのは、家庭裁判所での調停証書や裁判での勝訴判決がある場合に限られます。
「裁判所が決めたことに従っていない」から、勧告・命令を出してもらえるのです。
離婚協議書や公正証書だけしかないという場合にはこの方法が使えないので注意が必要です。
履行勧告・履行命令を出してもまだ支払いに応じない場合の最後の手段が、強制執行です。
強制執行とは、裁判所に申し立てて、元夫の財産を強制的に差し押さえてもらうことです。
ただし、この方法を使うためには、債務名義を持っていることが前提となります。
債務名義とは、養育費の請求権があることを証明する公的文書のことで、離婚時に作成した公正証書、調停調書、確定判決などがそれに当たります。
離婚協議書しかない、そもそも養育費の取り決めをしていなかったという場合は、債務名義を得るための協議・調停から始めることになるでしょう。
強制執行で差し押さえられる財産は、不動産・預金・給与ですが、たいていは給与が差し押さえられます。
ただし、給与の場合は未払い分を1度に全額差し押さえられるわけではなく、相手の手取り金によって差し押さえの限度額が異なります。
未払い分を全額支払ってもらうまで、給与の差し押さえは継続して行うことができます。
また、手続きを取ることで、将来分の養育費も継続して差し押さえることが可能です。
「今後も養育費の支払いがストップするのではないかと不安」だという方は、強制執行の申し立てを裁判所に行いましょう。
今回は、未払いの養育費を元夫から回収する方法について簡単に解説してきました。お金は、子供に安全で美味しい食べ物を与えたり、充分な教育を受けさせるために必要です。養育費を要求することは、自分のためではなく、子供のためなのです。
少しくらい面倒だからといって、養育費の回収を諦めてしまっては、子供のためになりません。
養育費が未払いになっている場合には、まずは「○日までに支払って欲しい」と元夫に連絡を入れておきましょう。
連絡が無視されてしまった場合には、内容証明の送付や、裁判所への履行勧告の申し立てなどを検討してみましょう。子供の将来を守れるのはあなただけです。
きちんとした手続きを行い、子供のためのお金を回収しましょう。
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